プロジェクト概要

医療機関では、患者からのメールによる診療予約依頼が増加していますが、その内容は来院日時・患者情報・症状などが自然言語で書かれており、スタッフによる手作業の予約登録ではヒューマンエラーや業務遅延が課題でした。そこで弊社は、受信したメールをAIで解析し、診療予約システムのAPIへ自動的に連携するサブシステムを開発しました。

採用AWSサービスと役割

サービス

役割

Amazon SES (Inbound)

患者からのメール受信・保存・Lambda起動

Amazon S3

メール原本の保管

AWS Lambda

AI解析前後処理、Bedrock呼び出し

Amazon SQS

メール処理のキュー管理

AWS Step Functions

複数のAI処理を順次実行・制御

Amazon Bedrock (GPT-3.5 Turbo)

メール本文から診療日時・患者情報・症状等を抽出

Amazon EventBridge

アラート・運用通知

AWS Systems Manager Parameter Store

API認証情報管理

CloudWatch Logs & Alarms

ログ管理・異常時通知

AIによる多段解析の詳細

  • Header分類 (Lambda):件名・送信元アドレスからメール種別を判断し、不要なメールは排除。
  • 本文正規化 (Lambda):メール本文をテキスト形式に統一・整理。
  • 情報抽出 (Bedrock):GPT-3.5 Turboが日時・患者名・症状などをJSON形式で抽出。
  • バリデーション (Lambda):抽出情報の形式・内容を検証し、問題があれば再処理またはスタッフ確認。
  • Step Functionsリトライポリシー:問題発生時の自動再試行とアラート通知で安定運用を支援。

月間コスト予測

30,000件/月、東京リージョン、為替160円/USDで概算。

項目

月額USD

月額円

SES Inbound

$3.0

¥480

S3保管

$0.05

¥8

Lambda利用

$0.506

¥81

SQS利用

$0.40

¥64

Step Functions

$3.75

¥600

Bedrock GPT-3.5 Turbo

$261

¥41,760

EventBridge

$0.06

¥10

合計

約$269

約¥43,003

導入成果

  • 手作業による転記ゼロ化:月40時間のスタッフ工数を削減し、医療業務に専念可能。
  • 予約登録ミスの激減:誤入力率が5%から1%未満へと大幅改善。
  • 運用の透明性向上:Step Functionsにより、エラー箇所が可視化され迅速に対応可能。

今後の展望

  • 解析精度向上のためのAIモデル最適化。
  • FAQ応答機能追加で患者サービスを向上。
  • 他医療機関への展開を見据えたシステム設計。

本記事が、診療予約業務のデジタル化を検討する医療機関の参考となれば幸いです。