ネオス株式会社バリュークリエーション事業本部フィンテックサービス部は、量販店・流通小売業向けの店舗アプリ「WalletPro」を提供しています。ハウス電子マネー(独自Pay)による決済に加え、クーポンの配布やお知らせの配信といった集客・販促の機能をひとつのアプリにまとめ、複数のチェーンに向けて開発・運用を続けています。

店舗アプリは、公開した日に完成するものではありません。会員数を伸ばし、チェーンごとの要望に応え、リニューアルに備える。その間ずっと、改修と追加開発を回し続ける必要があります。しかもこの種のアプリは、決済のトランザクションやクーポンの発行・利用が絡むため、一般的なアプリよりもバックエンドの比重が大きい。決済システムとスマートフォンアプリの受託開発を専門とするBASHAKAは、ネオス社の店舗アプリについて、アプリからバックエンドまでの改修・追加開発をまとめて担っています。

本記事では、バリュークリエーション事業本部フィンテックサービス部の小田原様・深谷様・村井様に、店舗アプリを使い続けてもらうために何をしているのか、既存のお客様の信頼を保つうえでシステムに何が求められるのか、そして改修を任せる相手に何を求めるのかを伺いました。

決済は入口。ネオスの立ち位置は「店舗が販促を打てる仕組み」

BASHAKA澤辺:ハウス電子マネー(自社Pay)を軸にしたアプリを提供する立場として、決済そのものはどう位置づけていますか。

ネオス小田原様:私たちの立ち位置は、アプリで自社Payを利用する機能、クーポンやチラシといった販促の機能、そして取得したデータを活用した施策を事業者側が打てる仕組み。それを提供していく、というところにいます。

ネオス深谷様:自分たちでポイントやマネーを払い出せますし、クーポンと連携させることもできます。アプリと組み合わせることで用途が広がる。ネオスはアプリを提供しているので、決済とアプリを一体化して、店舗のお客様向けのサービスとしてご提供できるところが特徴です。

BASHAKA澤辺:「お金で販促する」という考え方自体は、以前からあったものですよね。

ネオス小田原様:ありました。ハウス電子マネーの世界では、「チャージすると何%付与」「使うと何%付与」というお金での販促が、当初の導入のきっかけになっていたと思います。それがアプリを通して実現できるようになり、いまでは当たり前になりました。

一方で企業側から見ると、お金で還元しても、何に使われるかは分かりません。「この商品を買ってほしい」という意図には、クーポンのほうが応えられる。同じ5%でも、この商品を買ってくれるなら値引きする、買わないなら値引きしない、ということができるようになりました。

ネオス村井様:業態によっても違います。飲食のようにメニューがそれほど多くない業態では、ポイントやマネーで還元するのが有効です。一方でスーパーでは、それはほとんど求められません。「この商品を買ったら何円引き」といった、商品に紐づいたクーポンが求められる。カードの時代はクーポンも紙で、前もって配っておくものでした。アプリになって両方ができるようになり、最近はクーポンやプロモーションの施策に重点が移ってきたと感じています。

「行きもしないお店のアプリは入れない」。入れてもらった後の魅力をどう保つか

BASHAKA澤辺:既存のお客様に使い続けていただけているかどうかは、どの数字で見ていますか。

ネオス深谷様:導入数と、各店舗に紐づく会員の数です。

ネオス村井様:利用会員数と、その伸び方ですね。プッシュ通知への反応なども見ていく必要はありますが、まずは利用会員数。そこが売り上げにもつながってきます。

BASHAKA澤辺:会員数を伸ばしていくうえで、何が効いていると感じますか。

ネオス深谷様:会員数は、その店舗に紐づくお客様の数です。だから店舗側の働きかけが大きく、私たちと密にコンタクトが取れているお客様ほど伸ばしやすい。ただ、スーパーは商圏が決まっていますから、ユーザーから見れば「その店に行くから使う」アプリでもあるんです。

ネオス村井様:行きもしないお店のアプリを入れる人はいません。行くお店のアプリだから入れる。それが取っ掛かりです。ドラッグストア各社がアプリを出していて、とりあえず全部入れる、という人もいますよね。でも使わなければアンインストールされる。入れてもらった後は、どれだけアプリに魅力があるか、です。

クーポンやお知らせがタイムリーに出ている、使いやすい。そういうところが継続につながります。逆に言えば、アプリの出来が悪いと、そのお店に行ってもらえなくなる恐れもある。だからアプリは、しっかり作らなければいけないんです。

ネオス深谷様:ネオスのアプリは、何かしらのポイントに紐づいています。お客様にとっては会員としての居場所でもあるので、そこは疎かにできません。

BASHAKA澤辺:長く使われているアプリを、さらに伸ばしていくには何が必要でしょうか。

ネオス村井様:どんなアプリも、4年、5年と経てば目新しさは薄れていきます。私たちのアプリはハウス電子マネーが軸なので、会員が増え続けることが大事で、そのためには小手先ではなく、リニューアルのような大きな打ち手が必要になる時期が来ます。クライアント側でも3年、4年でリニューアルを考える時期が来るので、日頃のコミュニケーションで先方の状況を知っておいて、「そろそろ」と思われたときにタイムリーに打ち手を出せるかどうか。企業の数が多いぶん、アンテナを張っておく必要があると思っています。

機能では差がつきにくい。だから「変えられるところ」を先に決める

BASHAKA澤辺:ここからは開発の視点で伺います。既存のお客様の信頼を得続けるうえで、システムやアプリの面で何が差別化になると考えていますか。

ネオス小田原様:店舗アプリのパッケージは、機能の一覧だけで見れば各社の違いはありません。「ここにしかない機能」で差がつく時代ではない。そうなると、何が差別化になるか。分かりやすいのは価格と提供内容のバランスです。もうひとつは、価格以外で頼みたいと思ってもらえる要素。分かりやすい機能、業務ノウハウ、それから安心感です。

だから私たちは全方位ではなく一点集中で、いまは小売、中でもスーパーマーケットに絞っています。スーパー向けの機能と業務ノウハウでは負けない、という状態を目指しています。

BASHAKA澤辺:「安心感」というのは、障害を起こさない、決済の不整合を出さない、といったシステムの安定性のことでしょうか。

ネオス小田原様:安定して動くことは、提案の段階でアピールしてもなかなか伝わりません。お客様にとっては必要条件で、「当たり前」として扱われる。もちろん、どんなに良い機能でもシステムが安定しなければ使い物にならないので、そこは前提として守り続けるものです。提案の場で聞かれるのは機能ですが、機能の説明だけなら、どのベンダーも似たものになります。

そうなったときに残るのは、たとえば「スーパーのPOSでアプリのクーポンを使うなら、こういうところに気をつけないといけない」というノウハウです。業務フローや現場の負担を増やさずに、新しいことができる。そこが提案の中身になります。

BASHAKA澤辺:各チェーンから届く個別の要望を、標準機能に取り込むか、個社対応にするか。線引きはどうされていますか。

ネオス深谷様:いまはスーパーのお客様からのお問い合わせが多いので、そこで共通して上がってくるものは標準機能として考えます。そのお客様特有のものだと分かれば、その部分だけを切り出して個別に作る。ベースは標準機能、一部を切り出す、というのが型になっています。

ネオス村井様:スーパー向けのパッケージ化を強化しているところです。営業の場では、「カスタマイズできるところはここです」とはっきりお伝えしています。ホーム画面のようなところはしっかり変えられる、と。そのうえで、チェーン独自の機能があれば個社対応にするのか、標準に取り込むのかを判断する。まず「変えられるところ」を伝えることが大事だと思っています。

ネオス深谷様:これまで個別に開発していたものが標準になっていくので、あるお客様が欲しいと言った機能を、他のお客様にも追加しやすくなります。「これからどんどん機能が追加されていきますよ」と、こちらから言いやすくなりました。

BASHAKA澤辺:標準化が進んだうえで、既存のお客様からの追加開発の要望には、どう向き合っていますか。

ネオス小田原様:既存のお客様に対しては、「こういうことをやりたい」という要望に、どれだけ的確に、スピーディーに応えられるかです。コスト感が見合うことも含めて。

ネオス村井様:「こういうものも作れますよ、これくらいですよ」と前もって話ができていれば、お客様も検討しやすくなります。困っていることのヒアリングと、それを解決する提案をどれだけこまめにできているか。そこが受注に結びつくと思っています。機能開発や改修をこまめにくるくる回していくこと。そして、リニューアルの提案。その両方が大事です。

店舗アプリを続けていくための2つの打ち手。日々の打ち手は、困りごとのヒアリング、解決策の提案(作れるもの・費用感を前もって伝える)、改修・追加開発をこまめにくるくる回すこと。共通して上がる要望は標準機能に取り込み、そのお客様特有の要望は切り出して個社対応する。数年ごとの打ち手は、公開から3年、4年で検討の時期が来るリニューアルで、日頃のコミュニケーションで先方の状況を知っておき「そろそろ」と思われたときにタイムリーに打ち手を出す
店舗アプリを続けていくための2つの打ち手。日々の改修・追加開発をこまめに回し続けることと、数年ごとのリニューアル

アプリからバックエンドまで、決済が絡む改修を任せる相手に求めるもの

BASHAKA澤辺:3名共通の問いです。アプリからバックエンドまで、改修をまとめて任せるとしたら、相手に何を求めますか。

ネオス深谷様:決済が絡むので、似たようなことをこれまでにやってきているか、というのは大きいです。決済はネオスのシステムだけで完結するものではなく、連携先のシステムやクラウド側で何かが起こる可能性は常にあります。そのときにどう対応できるか。それを考えると、やはり経験のある会社がいい。BASHAKAさんには、決済代行や発行基盤のように外部のシステムとつなぐ開発のノウハウがあるので、そういう案件もお願いしやすいです。

BASHAKA澤辺:小田原様は、どうご覧になっていますか。

ネオス小田原様:いまの話と重なりますが、店舗アプリは、アプリと言いつつ、バックエンド領域の比重が一般的なアプリよりも大きいと思います。決済のトランザクションが絡みますし、クーポンにも発行と利用がある。そういうところで、これまでの経験を活かしてくれていると思います。

BASHAKAさんは、見積もりの段階であらかたの設計をイメージしてくれています。バックエンドについて、しっかり設計し、運用も考慮した形で見積もりや提案をしてくれて、実際に品質を保ってくれている。納期もそうです。そこは非常に評価できる点です。

あとはスタンスですね。経験やノウハウとは別に、ベンダーに求めたくなるのはレスポンスや対応の姿勢で、そこも評価しています。

成果と、これからの期待

BASHAKAは、ネオス社の店舗アプリについて、アプリからバックエンドまでの改修・追加開発を継続して担っています。決済のトランザクションとクーポンが絡むバックエンドを、見積もりの段階から設計をイメージし、運用まで考慮した形で提案・実装して、品質と納期を保つ。日々の追加開発の相談には、スピーディーで小回りの利く対応で応えています。

店舗アプリの構造。お客様(会員)が使うスマートフォンアプリ(自社Payで支払う・クーポンを使う・お知らせを受け取る)、一般的なアプリより比重が大きいバックエンド(決済のトランザクション・クーポンの発行・利用・会員・ポイント・マネー・外部システムとの連携)、何かが起こる可能性が常にある外部システム・クラウド(決済代行・発行基盤・クラウド)の3層で構成され、BASHAKAはアプリからバックエンドまでの改修・追加開発をまとめて担う
店舗アプリは、アプリと言いつつバックエンドの比重が大きい。BASHAKAはアプリからバックエンドまでの改修・追加開発をまとめて担っています

BASHAKA澤辺:日々のやりとりの中で、BASHAKAの対応はどう感じていますか。

ネオス村井様:追加開発の相談にすぐ乗ってくれるし、理解してくれる。見積もりもてきぱき出してくれる。すごくやりやすいです。

BASHAKA澤辺:最後に、BASHAKAに今後期待することをお聞かせください。

ネオス村井様:いまの品質と対応を続けていただきたい、というのがまずあります。いろいろなアプリをお願いしていますが、それぞれが、お客様が実際に使っているシステムです。こまめにお客様と話しながら次につなげていくために、引き続きご協力いただければと思います。

ネオス深谷様:新しいことをしたいですね。アプリ本体に組み込む形でも、別のサブシステムでもいい。お客様に追加でご提案できるものを、一緒に作っていきたいです。

ネオス小田原様:スピーディーで小回りの利く対応は、引き続きお願いしたいところです。そのうえで、新しいことを相談できる領域を、お互いに広げていきたい。「これならBASHAKAさんに相談しよう」という場面を増やしていければと思います。


店舗アプリは、アプリと言いつつバックエンドの比重が大きい。決済のトランザクションが絡み、クーポンにも発行と利用があります。BASHAKAさんは決済での経験を活かして、見積もりの段階から設計をイメージし、バックエンドをしっかり設計して、運用も考慮した形で提案し、品質を保ってくれている。スピーディーで小回りの利く対応は、今後も引き続きお願いしたいところです。

――ネオス株式会社 バリュークリエーション事業本部フィンテックサービス部 小田原様

同じ課題を抱える方へ

店舗アプリは、公開した日から「続けていく」仕事が始まります。チェーンごとの要望、数年ごとのリニューアル、そして決済のトランザクションとクーポンが絡むバックエンド。改修を止めずに回し続けるには、お金を扱う仕組みを分かったうえで、小さな改修にもスピーディーに応え続けられる相手が必要です。

BASHAKAは、決済システムとスマートフォンアプリの受託開発を専門としています。大量のトランザクションを捌き、何かあったときにも整合性を保ったまま切り戻せる設計は、決済のように「数字をずらせない」領域でBASHAKAが積み重ねてきたものです。その経験を持つメンバーが、アプリの作りからバックエンドの設計までを見積もりの段階から見据え、アプリからバックエンドまでの改修・追加開発をまとめてお引き受けします。他社が構築したアプリや決済基盤を引き継いでの改修にも対応しています。自社のお客様向けに電子マネーやポイントのアプリを提供していて、改修や追加開発、既存システムの引き継ぎに課題をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。